バトルロワイR
コント/月さんと九重さんの戯れ?
月:僕の名前は月! 皆からは月さんと呼ばれてるんだ!
今日は九州本土で最高峰の九重山の中岳を登りに来たんだ!
それと、僕は山です! 月山です!
九重:オイオイオイ! 君は私と同じく山だろ?
どうして、山である君が山を登るんだい! 重いよ!
月:あ、九重さん。 こんにちは。 僕は月です。
標高は1984mです。
九重:月さんですね。 私は九重です。 標高は1791mです。 よろしく。
って、丁寧に挨拶を交わしている場合じゃない! どうして、山である君が山を登るんだい!
月:そこに山があるからです。
九重:いや、登山家のかっこいいセリフを言ったって、君も山だから!
まったく、君は学生さんかい?
月:はい。 僕は山大…えっと、山形にある山の大学に通っています。
九重:へぇ、山大かぁ! 実は私も山大出身なんだ。 どうして、山大を志望したの?
月:僕は山形に住んでるんで、地元の大学に進学しようかと。
一応、登山サークルに入りまして…… 僕ひとりなんですけど……
九重:それでこの中岳を登りに来たのか。 それにしても偶然かなぁ。
さっきは何で山が山を登るんだとか言ったけど、実は私も登山サークルだったんだよ。
あの時は日本一の富士さんに登ったなぁ。
月:そうだったんですか!? あの富士さんに登るなんてすごいですねぇ。
九重:いやぁ、大変だったんだよ。 富士さんってば、私が顔を蹴ってしまったからって火山を爆発させるし……
月:CHA-LA HEAD CHA-LAの歌詞みたいになってるじゃないですか!
火山を爆発させるなんて、僕には恐ろしくてできません。
九重:いやぁ、それで山頂から1mも吹っ飛ばされてしまったんだよ。
月:1mって、そんなに吹っ飛ばされてないんじゃないですか? 立ち幅跳びでも余裕ですよ!
九重:何を言うんだ! 山が1m動くんぞ! 大規模地殻変動だろ!
1mを笑うものは1mに泣くんだぞ!
月:いや、登山サークルって活動するたびに大規模地殻変動起こしてるじゃないですか!
九重:それで、君はどうしてこの中岳を登ろうとしたんだい。 こっちからしたら迷惑な話なんだよ。
月:実は…… 九州で最も高い山だと聞いてるんで……胸が熱くなって、登りたくなりました。
九重:そうか。って、君のふもとの建物が1棟燃えてるよ! 胸が熱くなったのは1棟燃えてるからだよ!
1棟燃えてるけど君は大丈夫なのかい?
月:はい。 ヘッチャラです。何が起きても気分はへのへのカッパです。
九重:君もCHA-LA HEAD CHA-LAの歌詞みたくなってるよ!
月:でも、本当に九州一って聞いて登りたくなったんです!
九重:標高は君のほうが高いんだけどね。
月:九州一の山頂に立てば、かなり高いじゃないですか。きっと景色も良くて、空気もおいしいんだろうなぁと。
九重:君の標高で山頂まで行ったら、もう空気薄いからね。
月:しかし、景色は良いでしょう! 僕は見たいんです! 最高の景色を! 下手したら日本一の景色じゃないですか。
あぁ、見たい! 富士さんを超えた景色を見たい!
九重:なるほど…… そうだったのか……
月:でも、やっぱり登山は大変ですね。 もう疲れて登れません。
九重:急に弱音吐いた!?
月:疲れて足元……いや、ふもとがフラフラします。
九重:それは燃えてるからだよ。 あ、ほら。 人間が頑張って火を消してくれたよ。だから諦めるんじゃない!
そうだ、もし山頂まで来れたら私が良いことを教えてやろう。
月:ウッ…… 頑張ります! ハァ、脇汗かいてきたな。 僕、汗っかきだからな。
九重:汗って言うか、天然水だから脇水……いや、湧き水だけどな。
月:ハァハァ、疲れて体が重くなってきたなぁ。
九重:君に登られてる私はもっと重いんだけどね。
月:ハァ、ハァ、着いた―――――――! やりましたよ! 僕、山頂に着きましたよ―――――!
九重:おめでとう! 素晴らしいよ君は!
月:ありがとうございます!
九重:じゃあ、ご褒美の良いことを教えてやろう。
私と君の標高を足すと3775m、富士さんの標高は3776mだ。
月:ウワァァァァァァァァァァァァァァン! 1m足りなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!
九重:な? 1mを笑うものは1mに泣くだろう? この教えがご褒美の良いことさ。
(ジャンバト+第1回投稿作品 353KB 3/6位)