バトルロワイR
コント/そふまごっ!
母:お義父さーん。 買い物に行ってきますので、子供たちのことお願いしますね。
祖父:おぉおぉ。任せときんしゃい。 ワシが遊んでてあげるからの。
母:子供部屋にいると思うんで、お願いしますね。 では、行ってきます。
祖父:さて、孫のジョニやマイケやR3は何をやっとるかのぉ。
おーい、部屋に入るぞー
孫3人:ワーイ、おじいちゃんだー!
(ウィーン)
祖父:自動ドアなんじゃよなぁ。
(ポフッと黒板消し落下)
祖父:どうして自動ドアに黒板消しをセットしてるかなぁ。 まぁ、一応黒板消しは元に戻してドアに挟んでおこう。
ジョニ:じぃじぃだー! 遊ぼ遊ぼ!
マイケ:祖父殿、我と遊びたまふれ。
祖父:ジョニは相変わらず愛くるしいのぉ。 で、マイケは古語っぽく言うのが好きじゃなぁ。あくまで、っぽいだけじゃが。
R3:ジジイだー! 祖母に会ってみたい、30年前に愛想尽かして出て行った祖母に会ってみたい!
祖父:完全に悪口じゃなぁ。 で、5歳のお前が何故そんなこと言うんじゃ。祖母の話はするな。
ジョニ:それより僕たち、じぃじぃと遊びたいなー
祖父:おぉ、良いぞ。 そのために来たんじゃ。 何をして遊びたい?
マイケ:何でも古語っぽく言う遊戯!
祖父:却下じゃ。 一人で続けてなさい。 なんか子供っぽい遊びのほうが望ましいのじゃが。
R3:祖父と祖母の離婚ごっこ。
祖父:やめなさい。 内心、今でも引きずっておるのじゃから。
ジョニ:ねぇ、じぃじぃ。僕も意見言っていい?
祖父:もちろんじゃ、ジョニ。 お前がしたいという遊びならワシ何でも付き合うぞ。
ジョニ:ホント!? ワーイワーイ、嬉しいなー えっと、じゃあね〜
祖父:(喜んでる姿もかわいいのぉ。 ワシに似たのはジョニだけかのぉ。)
ジョニ:遺書を書く遊び!
祖父:……………………!?
R3:男に二言は無いよね? ね?
ジョニ:(ワクワク)
祖父:(遺書……じゃと……? な……何故こんなにも可愛い孫の口から……
まさかワシのこと嫌いなの……か……? 死んでほしい……のか……?)
ジョニ:じぃじぃと一緒に遺書を書きたいな。 一緒に遺書。 一緒に遺書。
ダジャレみたい。 あははははははは。
祖父:(実にしょうもないダジャレを自分で言って自分で笑うような可愛らしい孫がまさか…… いや……そんなはずは無い…… ドラマか何かにでも影響されたんだろう……)
マイケ:ともに遺書を書く契り、をかし!
祖父:よし! やろう! やってやろうぞワシは!
ジョニ:わーいわーい! じゃあ、早速作ろうよ。
当然だけど、法的拘束のあるしっかりとした遺書を書くんだからね。
祖父:……………………!?
R3:男に二言は無いよね? ね? ね?
ジョニ:(ワクワク)
祖父:(……何故に孫に遺書を書かされなければならんのだ……?
ジョニは何を望んでいる……のだ……?)
ジョニ:嫌……なの……?(うるうる)
祖父:…………よし、やろう。 やってやるぞジョニ。
ジョニ:わーいわーい! やったぁ! じゃあ、まずは遺産の分配先から書いて!
祖父:……………………!?
R3:男に二言は無いよね? ね? ね? ね?
祖父:クッ、R3ちょっと黙っとれぃ。 なぁ、ジョニよ。ワシほんとに遺書書かなきゃダメか?
ジョニ:嫌……なの……?(うるうる)
祖父:(ずるい…… この愛くるしい孫はずるいぞ……)
マイケ:嫌なわけなかろう? 一緒に遺書。 吾等と契り果たせり。
祖父:嫌じゃよ。 孫に遺書を書かされるなんて嫌じゃ! 悪いがジョニよ、ワシ嫌じゃ。
ジョニ:そんなぁ……
祖父:他の遊びだったらやるぞ。 絶対やるぞ。
ジョニ:本当? じゃあね〜、エンディングノートを書く遊び!
祖父:……………………!?
R3:男に二言は無いよね? ね? ね? ね? ね?
祖父:ジョニよ。 それじゃさっきのとほとんど変わらないじゃないか。
ジョニ:違うよ! もう、マイケ説明してあげて!
マイケ:はい。 遺書というものは、公証役場作成のものには法的拘束性があり、財産の分配先や子供認知などを明記し、後見人の指定や相続人の排除などをするものです。
一方、エンディングノートは法的拘束性は無く、財産の分配ではなく所在を書き、自分の生い立ちの記録、自分の葬式の様式、友人・親族の連絡先などを明記するものです。
ジョニ:ご説明ありがとうございました。 ね? 違うでしょ?
祖父:まぁ、違うことは分かったが、まさか孫に丁寧にこんな説明をされるとは…… ってか、マイケ超普通に喋ったのぉ。
マイケ:他には残されたものへのメッセージなども良いでしょう。
祖父:ならば、まずはお前たちに純情で健気な子供でありなさいと書くのぉ。
R3:祖母にもメッセージ書かないとね。 本当に浮気ばっかりしててごめんなさいって。
祖父:祖母の話はするんじゃない。 それに離婚は浮気が原因ではなく、すれ違いってやつじゃ。
R3:仕事が忙しく、家にもなかなか戻れず一人では寂しかったのじゃ。こんなワシを許しておくれ。っと。
祖父:何を勝手に書いておるのじゃ! やめいやめい! ワシはこんなの書きたくない!(ビリビリ)
R3:破っちゃったか…… 半分に破れて後半の内容だけ読み取れる……
ジョニ:でも、エンデョングノートに書かなきゃ遺影に使ってほしい写真も分からないから、僕の生まれたばかりの写真貼るよ?
祖父:何でじゃよ! 別人の写真はおかしいじゃろ! ってか、お前は自分の写真貼られてよいのか!
ジョニ:うん。 僕は亡き祖父が大好きだったからね。
祖父:生きとるわい! ついにジョニも本性を出しおったのぉ。 なんてこったい。
マイケ:あとは介護や延命治療、臓器提供のことなどを書くのが良いでしょう。
R3:自殺します。 っと。
祖父:オイ、コラ! なんてこと書くんじゃい! まったくどんな教育を受けてるんじゃい。
ジョニ:じゃあ、もう遊ばなくて良いよ! じぃじぃ嫌い!
祖父:ワシもこの短時間で孫に対する感情は一変したぞ。
ジョニ:もうこのコップに入った緑色の液体飲んじゃえ!
祖父:何を持って来とるんじゃ!? 生命の危機を感じる脅し文句なんじゃが!
マイケ:こちらブロッコリージュースです。 天然のBroccoliの苦みが実にまずいです。
祖父:いや、年寄りは意外にそういうの好きじゃ! まったく……
そうじゃ、昼寝でもしたらどうじゃ? 疲れたじゃろ?
R3:あぁ、ジジイの相手するの疲れた。
祖父:まったく、それはこっちのセリフじゃ。
ほら、寝ろ寝ろ寝ろ! さっさと寝るんじゃ。
ジョニ:じぃじぃも一緒に寝ようよ。 じぃじぃは永遠に寝ても良いよ。
祖父:いいから早く昼寝せい! まったく……
孫3人:(スヤスヤ眠る)
祖父:静かに寝てる様子は可愛いの。 さっきまではうるさかったのに、今じゃ死んでるんじゃな
かってくらい静かに寝むっとるの。
ふわぁ〜、ワシも疲れたし少し眠るかの……
(ウィーン)
母【ちなみに名はクリス】:ただいま戻りました〜
(ぽふっと黒板消し落下)
母:ぷぎゃっ。 まぁ、いつものことだから慣れましたけど。
お義父さん、ジョニ達良い子にしてました?
あらっ? 何かしらこの緑の液体。 なんか気持ち悪いわね。 毒じゃないのかしら。
って、お義父さんとジョニたちは昼寝してる。 疲れたのかしら。
ん? この紙は何かしら。 えっ!? 自殺します!?
こっちの紙は…… 一人では寂しかったのじゃ。こんなワシを許しておくれ!?
まさか…… 緑の毒で無理心中!?
キャーーーーーーーーーーーーーーー!
(ジャンバト+第13回投稿作品 353KB 3/4位)