バトルロワイR

コント/小娘たちの「文化祭」

アル子:はいどーもー! アル子だよっ!

 

ハテ菜:そして、私はハテ菜。

 

アル子:2人合わせて、まほこむでーす! よろしくお願いしまーす!

 

ハテ菜:いやぁ、私たちの高校の文化祭ということでね。めっちゃ盛り上がってるね!

 

アル子:まずは自己紹介から行きましょうか。 2年○組のアル子でーす!

 

ハテ菜:2年◎組のハテ菜でーす! この2人で漫才をやらせていただきまーす。

 

アル子:しかし、生徒諸君や先生に下から見上げられてると神になった気分ですねー。

    同じクラスの秀才すらも下に見えますよ。

 

ハテ菜:アル子は気分が高揚しすぎてるみたいね。 ちょっと何を言ってるのかよくわからないけども。

 

アル子:皆さん盛り上がってますか―――!!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハテ菜:まったく反応が無いようね。 スベらせてやろうと企む友人たちに陥れられたのか、皆お祭りムードに疲れ切ってるのかはさておいて。

    というか、生徒会からネタは4分以内って言われてるから早く本題に入るよ!

 

アル子:あー、でもその前に一つだけやっておきたいツカミがあるからやるね。

    綺麗な方が多いですね。 前から4列目の左5番目から順にべっぴんさん、べっぴんさん、一人飛ばして、べっぴんさん。

 

ハテ菜:その飛ばされた人ってアレだよね! この前の体育のバスケで意図的に押した押してないでアル子と揉めた人だよね!

    わざわざ席まで狙い定めてこの場で晒し上げるような陰湿なことはやめなよ!

 

アル子:さ、本題に入って下さいな。

 

ハテ菜:次、揉めたときはフォローしてあげないからね!?

    じゃあ、本題に入るけど私さ、選挙演説ってやってみたいのよね。

 

アル子:ほぉ、選挙演説ね。

 

ハテ菜:先月の生徒会役員選挙で今の会長さんがやってるの見てカッコいいなぁと思ってね。

 

アル子:あ! さっきまで全く笑ってなかった会長が初めて照れ笑いで笑った!

 

ハテ菜:表情覗わなくていいの! それで、私もちょっと選挙演説をやってみたいんだけど。

 

アル子:なるほど。じゃあ、やっちゃう?

 

ハテ菜:ええ!

 

アル子:じゃあ、シチュエーションは生徒会長になるための選挙演説ってのでいい?

 

ハテ菜:イエス!

 

アル子:よーし任せて! ちょっと待っててね!

   (おもむろに舞台を飛び出し、漫才をやっていた体育館から飛び出す。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(3日後)

 

アル子:ただいま! シチュエーションの準備はバッチリよ! 日にちは明後日に決定したから!

 

ハテ菜:……………………え?

 

アル子:ん? どうしたの? テンション低いよ。 ハテ菜さん盛り上がってますか―――!!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アル子:反応が無いねー。 また友人たちに陥れられてるのかな。

 

ハテ菜:…………違うよ!? よく考えてみて! アル子の行動を!

 

アル子:う〜ん……

 

ハテ菜:まず私ら文化祭のステージ発表で漫才をやってたよね?

 

アル子:うん、やってた。

 

ハテ菜:私が設定を振ったら、アル子はどっか行ったよね?

 

アル子:うん、行ったよ。

 

ハテ菜:どこ行ってたのさ!? それで3日後に帰ってきちゃって!

    もう文化祭終わったけど!? 皆が片づけしてる間も舞台上で一人待ち続けた私の身にもなってよ!

    その間、飲まず食わずさらに寝ずだからね! テンションも低くなるわ!

 

アル子:それはハテ菜もちょっと常識外れなとこあるよ。

 

ハテ菜:で、3日間どこ行ってやがったのよ!

 

アル子:……そのことについて説明するね。 その3日間で生徒会をリコールして、また選挙を行うようにしてきたの。

 

 

 

 

 

ハテ菜:………………えっ?

 

 

アル子:あの日、舞台を去った後は喫茶店でパフェを食べながら生徒会をリコールする手段を考えてたの!

 

ハテ菜:突然のアル子の失踪で一番オロオロしてた時間帯に何してんの!? 舞台から下りるかどうかめっちゃ悩んでたのに!

    結局、下りなかったけども!

 

アル子:それで翌日に生徒会の人にも手伝ってもらって全校生徒の3分の2以上である799人の署名を集めて生徒会をリコールしたの!

    あとは、選挙管理委員会を動かして選挙の日取りを決めてきたところなの。

 

ハテ菜:待って待って! 全校生徒が800人だから署名してないの私だけだ!

    というか、何でそんなに皆 署名してるの!? 無責任過ぎでしょ!

    って、生徒会の人らも全面協力な上で署名したの!? 先月発足だから、まだ1カ月だよ!?

 

アル子:それで、ハテ菜を次の生徒会長に立候補させてきたよ。 推薦人は前の会長さんでね。

    さぁ、これで選挙演説ができるねー。

 

ハテ菜:いや、やり過ぎだよ! 漫才の設定振りをそんな学校単位の大事にしないでよ!

    というか、もう前の会長は何がしたいのか分かんない! 何で会長になったの!?

 

アル子:さぁ、いざ選挙♪

 

 

 

 

 

(2日後)

 

ハテ菜:このたび、生徒会長に立候補しました。 ハテ菜です。

   (中略.ちなみにそれなりのことを言ってそれなりに聴衆の心をカッキーンと打つ)

    どうか清き一票をお願いします。

 

(パチパチパチパチパチ)

 

ハテ菜:あー、緊張したなー。 私、順応性が高いからすぐに事態を受け入れて選挙演説やったけど、

    これでよかったのかなぁ。

 

アル子:よかったって。 他に会長は立候補者がいなかったから信任投票だね。

    もう決まったようなものだけど。

 

ハテ菜:うん! こうなったからには最高の生徒会を組織してやるわ!

    史上最強の生徒会になってみせるから!

 

 

 

 

 

 

 

 

(数日後)

 

生 徒 会 選 挙 結 果

 

会長

◎いらない 700

 ハテ菜   6

 

副会長

◎アル子  600

 ソッ子   50

 ク太郎   50

いらない  3

 

 

 

 

 

ハテ菜:えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?

   この学校の生徒は一体、何がしたいのさぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

 

アル子:えへへー 私、副会長やってみたかったんだぁ。

 

 

 

 

 

生徒一同:あるある!



(ジャンバト+第51回投稿作品 369KB 1/7位)

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